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歯磨きの功罪

 

歯科医院へ行くと必ずといってよいほど「よく歯を磨いて下さい」と言われます。熱心に治療を行う歯医者さんほど、歯磨きを勧める傾向があるようです。 しかし、果たして歯磨きはそんなに必要なものだろうか?

磨きすぎの弊害だったあるかもしれない? 歯磨き剤は何を使ったらよいのだろうか? 今回はその辺のところを現代医学の面だけでなく、自然治癒力や、食養の面からも考えてみたいと思います。

 

心配(1)

磨きすぎると歯が擦り減ってしまう?
歯肉だって下がってしまう?
水もやたらしみてしまうし?

歯が擦り減ってしまうと、歯肉だって下がってしまうし、冷たいものは滲みるし、虫歯にもなりやすくなるし、よいことはありません。まるで楔を打ち込んだようにえぐれてしまうので楔状欠損という名前がついています。

 楔状欠損

悪い磨き方

<悪い磨き方>
力いっぱい大きく動かす。
こう磨くと、左写真のようになってくる。

しかし、これは明らかに間違った磨き方を長期間続けた結果なのです。自己流磨きで5年、10年とガシゴシ磨き続けている人に見られます。ガンコで生真面目で、働き者のお父さんなんかが一番危ないのです。

こうした擦り減りは、歯ブラシを前後(水平)に大きく動かし、一度に3、4本の歯の側面を強く磨くやり方をすると起こってきます

さらに、歯磨き剤をタップリつけたり、固めのブラシを使用していると、一層悲惨な状況になってきます。しかし、心配には及びません。 これを防ぐのはそう難しくはありません。正しい磨き方を身につければよいのです。

歯は1本ずづいたわるように磨く、力は弱めに、歯磨き剤はつけずにまたはごく少量、そして時間はたっぷりとかけて磨くのです。 短時間で、力いっぱいガシゴシ磨くのが一番悪いのです。

<正しい磨き方の例> 大きく動かさない、力を入れない、一本ずつ

 正しい磨き方  正しい磨き方  正しい磨き方

理屈は簡単です。しかし実際にやっていると、今までの自分の癖がなかなかぬけないこともまた事実です。 こういう時こそ歯科医院へ行くのです。歯科医院は歯を削るところと考えるのではなく、歯を守るためのところと考えましょう。「正しい歯磨きを教えてください」と言えばよいのです。

 

 正しい磨き方 悪い磨き方
1本ずつていねいに
やさしく、いたわって
弱い力で
歯磨き剤はなし
または少量
長時間(3分以上)
居間でもどこでも
ながら磨き
一度に3〜4本まとめて
硬めのブラシで
力を入れて
歯磨き剤
たっぷり
短時間(1分以下)
寒い洗面所で
つっ立って 

 

心配(2)

歯磨き剤は何を使ったらよいのだろう?
歯磨き剤の害はないのだろうか?

歯磨き剤の利点

ごく短時間(1分以下)のブラッシングでも、とりあえず見た目に綺麗になり、すっきりした感じになる。

歯磨き剤の欠点

(1)歯磨き剤をつけてしっかり磨いていると、歯の側面が擦り減りやすい(楔上欠損)

(2)正しい長時間磨きがやりにくくなる。
(口の中が泡だらけになってしまい、いちいち洗面所へいかなくてはならなくなる。
  居間でながら磨きができない。テレビを見ながら磨けない)

(3)長時間磨きをすると香料で口の中がヒリヒリする。

(4)香料で爽やかな気がして、きちんと磨けているかどうかわからない。

(5)歯磨き剤のなかには、磨き粉、発泡剤、界面活性剤など、生態の粘膜にとって不必要なものが多く含まれている。

歯磨き剤使用の注意点

(1)歯磨き剤はゼロまたはごく少量でよい。

(2)歯磨き剤選択の基準は、みがき粉、界面活性剤などの含有量ができるだけ少ないもの。

(3)5分以上磨く場合、歯磨き剤はほとんど必要ないが、歯の着色を嫌う人は最初の1分くらいだけ使ってみる。

最高の歯磨き剤は唾液です。
歯磨き剤が好きな人は、お好みで少量だけお使い下さい。

 

  ×
正しい歯磨き剤の量
 
 間違った歯磨き剤の量

 

心配(3)

自然の理に従い正食していれば、虫歯や歯周病にもならないはずだ。人為的な歯磨きを積極的に行うのは不自然ではないか。

野生の動物には虫歯や歯周病もありませんが、動物園の動物たちには虫歯や歯周病があるそうです。

私たちも一生離れ小島で分明と縁のない生活をしていれば、多分虫歯はできないでしょうが、現代生活の中ではどんなに正食に努力しても、私たちの食べ物は自然の姿とはかけ離れていますし、生活全般がかなり偏っているのも現状です。

その善し悪しは別として、現代の食生活の中で歯を守るためには、積極的な歯磨きが絶対必要です。写真を比較していただければ一目瞭然です。

■正食に目ざめ、歯磨きも努力中
抜けそうで抜けない歯

 歯磨きも努力中の歯

 

■ずっと正食しているが、
歯もほとんど磨かない人

 歯をほとんど磨かない人

正食に努力し医者、歯医者へは10年以上行っていなかった。病気はすべて自分で治せるという自信が、かえって手入れを悪くしている。   退職後食を含め健康にとても気をつけるようになり、二ヵ月ごとに定期検診に来ている。歯磨き一回十分以上実践。抜けそうな歯が抜けないで、ずっともっている歯肉も骨も硬い。

 

心配(4)

幼稚園児の歯を磨いてあげようとすると必死で抵抗する。泣き叫ぶ子どもを押さえつけて歯磨きをするのはとてもつらい。
何かよい方法は?

ほとんどの子供たちは親に歯を磨かれるのを嫌がります。「お母さんといっしょ」のように、お利口に歯を磨いてもらう子どもは10人に1人もいません。

歯磨きも躾の一つと考え、時には厳しく、また時には遊び感覚で楽しく、根気よく慣らしていくしかありません。

しかし、もっと大切なことがあります。
大人に比べて子どもの方が、食の影響を受けやすいのです。
つまり規則的で正しい食をとっていると、歯磨きが完璧でなくても虫歯にはなりません。

特に影響の大きいのは糖分の多い間食です。
胃袋の小さい子供たちにとって間食は必要ですが、お菓子である必要はありません。
3時のおやつには、小さなおにぎりを作ってあげましょう。

おイモも最高です。食事中はテレビなどつけず、親子で食を楽しみましょう。よく体を動かしよく遊ぶ子は、よく食べよく寝て虫歯にもなりません。

 

心配(5)

手が不自由で電動ブラシを使用しています。
何か弊害はないだろうか?

手が不自由な人超多忙で歯磨きなどやってられない?という人根気のない人などは電動ブラシは価値があります。

電動ブラシは誰がやっても、楽にマアマアの効果が出ます。5分間磨いても疲れません。
電磁波の問題はほとんど心配ありません。
ただし、ただ単にものぐさだけな人、電動ブラシなら30秒の歯磨きでよいと考えている人は、何をやってもダメです。

大切なのは、丹念に! ていねいに! 時間をかけて! です。

 

結論

正しい歯磨きは、口の健康を守る上で絶対必要です。正食を実践している人は、自分の健康法に自信をもち(?)とかく自己流歯磨きになっている人が多いように感じます。結果的に、正食実践者の中にはかなり歯を悪くしている人が大勢いるように思います。

正食をして自然治癒力を向上させるのは素晴らしいことですが、歯には自然治癒力はありません。歯だけは唯一悪くなるだけの器官なのです。 正しい歯磨きを知るためにも、歯科医院をじょうずに利用して下さい。

歯が痛くなってから走ってくる患者さんより、正しい歯磨きを聞きにやってくる患者さんの方が、私たちも好ましく感じます。

◆歯磨きは一回十分ぐらい、毎月定期検診に来ているが、食も生活リズムも不良。歯肉の見た目はよいが骨はとけて歯はグラグラしている。歯肉が引きしまらない。

 歯磨き努力中だがストレスあり

 

 骨が下がってしまった状態

歯磨きは努力しているが、食も生活もまさに現代的、ストレスいっぱいの生活。 以前は点線まであったはずの骨が今は実線のところまで下がっている。
 
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