では、虫歯にならないようにするためには、どうしたらいいか。答えはとてもシンプル。
自然のリズムにあった生活をしながらも、歯ブラシ、歯間ブラシ等を使い、丁寧に歯を磨くことだ。歯医者さんが教えてくれるような、小刻みなブラッシングを、毎食後、おやつを食べた後も、鏡を見ながらせっせと繰り返す…。
けれども、こんなことはやってはいられない。人は、歯を磨くために生きているのではないのだ。何か良い方法はないだろうか…。
今回の特集をまとめるにあたり、いろいろ教えて下さったのは、静岡の歯科医、田村享生先生。日本C1協会の『マクロビオティック』や、正食協会の『正食』などでもおなじみの人も多いだろう。ラクに歯垢がとれる方法を、田村先生に尋ねてみた。
「歯医者の立場で言えば、正しい歯磨きを必要十分な時間長く行えば、それだけ虫歯になるリスクは減ります」
うーん、それは、わかってはいるけれども…。
でもですね、と田村先生はつづける。
「現実に、毎回たとえば15分歯磨きをするというのは、無理ですよ。だから、せめて1日1回でもいいので、5分以上、磨いて欲しいですね」
5分、長い…。野生動物は、歯を磨かなくても虫歯にならない。どうしてヒトは、歯を磨かなくてはならないのか。
「動物園の動物も虫歯になります。私たちは、もう野生の生き方は出来ないのですから、仕方がありません」
冒頭でも書いたように、食養をしていても、歯磨きをしなければ、虫歯にはなる。食養をしていても、現実には風邪を引いたり、体調が悪かったりすることがあるのと、同じようなことだ。
そうして、初期の痛みが全くない段階の虫歯なら、自然に治癒することがあったとしても、痛くて噛むのに支障がある段階になったら、自然治癒の望みはない。
歯が痛むということは、虫歯菌に侵されて、歯に欠損した部分があるということ。乳歯から永久歯に生え替わるということを最後に、おおざっぱに言えば、歯の成長はもうない。瘡蓋のようなものが欠損した部分を補うために、歯の内側から盛り上がってくることは、残念ながらない。
言ってみれば、事故で失われてしまった足は、いくら食養をしても再生しないのと同じなのだ。
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